「聖霊を主役に、傾聴の姿勢を」教皇、シノドス総会の導入の挨拶で
「世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会」第1会期がミサと共に開幕した10月4日(水)、午後から教皇フランシスコ出席のもと、第1回目の全体会議が行われた。
「共に歩む教会のため − 交わり、参加、そして宣教」をテーマに、教会のあらゆる成員の参加とすべての人への傾聴に留意しつつ準備が進められてきたこの総会にふさわしく、会場に指定されたパウロ6世ホールには、円卓がいくつも設けられ、教皇とシノドス事務局関係者をはじめ、464人の参加者らは、それぞれの席につき、他の参加者と向き合いながらテーブルを囲んだ。
教皇フランシスコは、「シノドス第16回通常総会・第1会期」開会にあたり、これからおよそ4週間にわたる歩みを共にするすべての参加者に挨拶をおくられた。
その冒頭で教皇は、かつて聖パウロ6世が、西洋の教会はシノド(シノドス)的な考えを失ったと言い、そのためにシノドス事務局を創設し、以来、様々なテーマで多くのシノドスが行われてきたことを回想。
最初のうちこそ、シノドス的な考え方がまだ熟していなかったが、この60年近くの間にそれはゆっくりと進歩し、今日では、シノドス性をテーマにしたシノドスを開催するまでになった、と、感慨を表された。
また、アマゾン地域をテーマにしたシノドス開催後、世界の司教らに今後のシノドスのテーマについてアンケートをとったところ、司祭をテーマにしたいというものが最も多く、その次にシノドス性、3番目に社会問題であった、と教皇は明かし、世界の司教たちはシノドス性について考える必要を感じ、そのための時が熟したことを理解していた、と語られた。
教皇は、シノドスとは、その時々の問題を解決し、それに意見を述べるための国会のようなものでも、友人同士のミーティングでもない、別のものと述べると共に、その主役はわたしたちではなく、聖霊である、と強調された。
こうした中、教皇は聖バジリオ司教教会博士が聖霊について記したものを読み、シノドスにおける聖霊の主役性について観想するように参加者らに勧められた。
教皇は、聖霊がペンテコステを通して教会共同体が根底に持つ多様な活力に火をつけたと話したほか、聖霊とはわたしたちをすべての違いにも関わらず調和の中に一致させる、救いの歴史の調和をかもしだす存在であると説かれた。
さらに、教皇は、「わたしたちを導き、慰め」、「教会を形作り、教会を守る」、「わたしたちの信仰を強める」聖霊の働きを観想。
このシノドスにおいて聖霊の声とこの世の声を識別し、世俗的な思いにとらわれて、聖霊を悲しませることがないようにと願われた。
教皇は最後に、聖霊に場を譲るために、耳を傾ける姿勢を改めて提示されると同時に、シノドスにおいて教会が優先するのは傾聴であるというメッセージを、報道関係者や人々に伝え、理解してもらう必要がある、と述べられた。