検索

死者の日:教皇、ローマの戦没者墓地でミサ

教会暦で「死者の日」を記念した11月2日、教皇フランシスコは、ローマ市内の戦没者墓地でミサをとり行われた。

 11月2日(木)、カトリック教会の暦は、「死者の日」を記念した。

 この日、教皇フランシスコは、ローマ市内の戦没者墓地を訪れ、ミサを捧げられた。

 教皇が訪問されたのは、ローマのテスタッチョ地区にある「ローマ戦争墓地」。同墓地にはコモンウェルス(旧イギリス領の独立国家等が加盟して構成する連合体)諸国の戦没軍人たちが葬られている。

 同墓地に到着された教皇は、兵士らの名前が刻まれた墓標の間で沈黙の祈りを捧げ、花を手向けられた。

 時折雨が降る中、厳かにとり行われたミサには、軍関係者や遺族、ローマの行政関係者や市民など、およそ300人が参列した。

 教皇はミサの説教で、この死者の日に「記憶」と「希望」という2つの言葉を示された。

 地上の旅を終え、神のいつくしみの中に迎え入れられた人々の記憶を心に留めるよう教皇は招くと共に、主とすべての人々との出会いに向かうこの人生の歩みを、希望をもって見つめるようにと強調。信仰に基づく決して失望させることのない希望をもって、毎日を前進するようにと励まされた。

 教皇はこの墓地で見た戦没者たちの多くが20歳から30歳くらいの年齢であることに触れ、これらの人々の突然断ち切られた命を悼むと同時に、残された家族の悲しみに思いをはせられた。

 現在でも、わたしたちの近くで同じことが起きている、と教皇は今日の各地の戦争に目を向け、これらの戦争が「何の意識も持たずに命を破壊している」ことを悲しまれた。

 「今日、亡くなった人々を思い、記憶と希望を保ちながら、主に平和を願おう」と教皇は述べ、「これ以上、人々が戦争のために命を落とすことがないように」と祈られた。

 また、教皇は「多くの無実の人、多くの兵士が亡くなっている。何のために?戦争は常に敗北である。完全な勝利など存在しない。たとえ相手に勝利しても、その裏には常に犠牲という敗北がある」と説かれた。

 教皇は最後に、すべての死者を神に託し、「神がわたしたちに憐みと、神の御元で皆に会えるという希望をくださいますように」と祈り求められた。

02 11月 2023, 16:48