教皇フランシスコ、イタリア・ヴィテルボのサンタ・ローザ祭の関係者と 2024年1月11日 バチカン宮殿 教皇フランシスコ、イタリア・ヴィテルボのサンタ・ローザ祭の関係者と 2024年1月11日 バチカン宮殿  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

教皇「福音宣教の情熱に燃える聖人たちが必要」

教皇フランシスコは、イタリア・ヴィテルボの伝統行事、サンタ・ローザ祭の関係者とお会いになった。

 教皇フランシスコは、イタリア中部ヴィテルボのサンタ・ローザ祭の関係者とお会いになった。

 ローマから北西におよそ100kmにある中世の面影を残す町ヴィテルボは、特に、何世紀をも経て今日の時代まで行われている教皇選挙の方法を形作るきっかけとなった、最初の「コンクラーベ」が行われた場所として有名である。

 ヴィテルボには教皇宮殿があるが、それは教皇アレクサンデル4世(在位1254-1261)が、晩年、同地に滞在し、一時期、教皇庁の機能を移していたことによる。

 教皇クレメンス4世(在位1265-1268)の帰天後、後継者の選出は1268年11月から1271年9月までも長引くものとなったが、ヴィテルボで選挙者を「クム・クラーヴェ(鍵で閉じ込めた)」の状態に置いた結果、グレゴリウス10世が選出され、3年近い教皇空位期間にようやく終止符が打たれた。

 教会史に名を残すこの町は、同地の保護聖人、ヴィテルボの聖ローザ(1233-1251)によっても知られている。ヨーロッパの多くの都市同様、ヴィテルボが教皇派と皇帝派の争いに巻き込まれた時代、フランシスコ会第三会の会員であった若き聖ローザは、平和を説き、教会への忠実を市民に呼びかけた。

 ヴィテルボでは、9月4日に聖ローザの祝日を祝い、その前日3日の夜には、「マッキナ・ディ・サンタ・ローザ」と呼ばれる、高さ30メートル近い山車を市民が担ぎ、町を練り歩く行事が行われる。この行事は2013年、イタリア国内の大きな山車を担ぐ伝統ある祭事群の一つとして、ユネスコの無形文化財に指定された。

 教皇フランシスコは、1月11日、バチカン宮殿に、ヴィテルボのサンタ・ローザ祭の実行委員会の人々や、山車「マッキナ・ディ・サンタ・ローザ」の担ぎ手たちを迎えられた。

 教皇は関係者らに託された挨拶で、1258年、アレクサンデル4世が聖ローザの聖遺物を現在の巡礼聖堂に移す際に行った宗教行列を起源とするこの古い祭りに触れると共に、ヴィテルボの町に生き生きとした信仰を広げた神秘家、聖ローザの、迫害や困難に負けない愛と勇気の生涯を振り返った。

 そして、ソファの上でくつろいでいるだけではない、聖ローザのような福音宣教の情熱に燃える聖人たちをわたしたちは必要としている、と強調された。

 教皇は、これからも皆さんの奉仕と日々の生活を通して、聖ローザの記憶と、キリスト教の精神を伝え続けて欲しい、と謁見参加者たちを励まされた。

教皇フランシスコとヴィテルボのサンタ・ローザ祭の衣装の子どもたち
教皇フランシスコとヴィテルボのサンタ・ローザ祭の衣装の子どもたち
11 1月 2024, 15:56