教皇、虐待被害者に耳を傾ける大切さを強調

　教皇フランシスコは、3月7日、「教皇庁未成年者保護のための委員会」のメンバーとお会いになった。

　同委員会は、教会内の未成年者を保護し、虐待を防止することを目的に、2014年に設立された組織で、ここ数日ローマで定例総会を催していた。

　教皇の総会参加者への挨拶文は、風邪の症状が続く教皇に代わり、国務省のピエルルイジ・ジロリ師によって代読された。

　この中で教皇は、未成年者と弱い立場にある成人の保護を目的とした助言と相談を提供し、教会を常により安全な場所とするための同委員会の10年にわたる活動の広がりに感謝を述べている。

　引き裂かれた人生を再び築き、苦しみをいやすということは非常に複雑で大きな課題であるために、虐待のスキャンダルと、被害者の苦しみを前に、わたしたちは意気消沈するかもしれないが、そのために努力を決して怠ることがあってはならない、と教皇は関係者を励ましている。

　そして、むしろ教会がどこでも常に、誰もが家と感じ、すべての人が聖なる存在として尊重される場所となるよう、さらなる前進を願われた。

　教皇は、虐待の被害者への保護と寄り添いは、傾聴、介入、予防、支援からなる具体的なものでなくてはならないと言われる。

　教会の指導者らはもとより、わたしたち皆が被害者の苦しみに心を揺さぶられ、その声に直接耳を傾け、様々な方法によってその苦しみを和らげ、異なる未来を準備することが求められている、と述べている。

　虐待の被害者に対する答えは、心の眼差しと寄り添いから生まれる。これらの兄弟姉妹たちが受け入れられなかったり、耳を傾けてもらえなかったりすることが決してあってはならない、それは彼らの苦しみを増すことになる、と教皇は注意を促している。

　教皇は、虐待を断固として非難し、それを防ぎ、被害者に憐れみに満ちた関心を注ぎ、教会を受容的で安全な場所とするために、教会があらゆる力を尽くすことを願われた。