「皆さんは未来の傍観者ではなく、主役」教皇「平和の学校」の生徒らに
教皇フランシスコは、4月19日、「平和の学校」に参加する生徒・教員たちとの出会いを持たれた。
同日、バチカンのパウロ6世ホールには、イタリアの「平和の学校」ネットワークに参加する6千人の生徒たちの歓声があふれた。
「未来を変えよう」をテーマに掲げたこの集いは、5月25日、26日に行われるカトリック教会の最初の「世界子どもの日」を準備する一つのステップとして、平和を築く新しい世代の育成を目的に企画された。
このイベントには、「平和の学校」ネットワークに関わる学校の教師や、大学関係者、社会・平和問題の専門家らも出席した。
教皇は参加者への言葉で、不正義や暴力が人間の尊厳を歪めている今日、無気力の誘惑に負けずに、「未来を作る工事現場」で情熱をもって取り組む人々に感謝を表明。今日こそ、責任を持ち、前を向いて、未来の実りのために毎日平和の種を蒔き続けることが必要と述べられた。
来る9月にニューヨークで開催される「国連未来サミット」に言及された教皇は、同サミットで採択される「未来のための協定」「未来の世代についての宣言」を、単に紙に書かれたものとせず、具体的に実現させるためにも、皆の貢献が求められている、と話された。
教皇は生徒たちに「皆さんは未来の傍観者ではなく、主役として呼ばれています」と強調。実際、「国連未来サミット」はその召集において、わたしたち皆がより良い未来の構築に招かれているだけでなく、特にそれを皆で構築する必要を思い出させていることを指摘された。
平和とは、武器の轟音がしないこと、戦争がないことだけを意味せず、寛大と信頼と愛に満ちた環境をも意味するが、それは思いやりある関係に基礎を置く社会でこそ可能になる、と教皇は述べた。
人々の必要に耳を傾け、傷をケアし、いつくしみといやしの道具となること、それは人類に、特に最も立場の弱い人々に示されたイエスのいたわりであると教皇は語り、互いにいたわり合うところから、平和と対話に基づいた受容性ある社会が生まれると説かれた。
戦争が影を落とす今日、わたしたちが共に暮らす地球が兄弟愛あふれる場所となるように、平和の作り手、受容性ある社会の主役、未来の構築者となって欲しいと、教皇は生徒たちを励まされた。