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教皇フランシスコと教皇庁聖書委員会関係者との出会い 2024年4月11日 バチカン宮殿 教皇フランシスコと教皇庁聖書委員会関係者との出会い 2024年4月11日 バチカン宮殿  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

教皇「苦しむ人々に向かって身をかがめるイエス」

教皇フランシスコは、教皇庁聖書委員会の関係者とお会いになった。

 教皇フランシスコは、教皇庁聖書委員会の関係者とお会いになった。

 同委員会は、ここ数日定例総会を開催、最終日に教皇との出会いを持った。

 関係者への挨拶で、教皇は今総会のテーマ「聖書の中の病気と苦しみ」は、ご自身が心にかけているテーマでもあると述べられた。

 苦しみと病気は立ち向かうべき相手であるが、重要なのは人間らしさをもって立ち向かうことである。このテーマを除くべきもの、触れてはいけないタブーとして縮小することは当然よい解決ではない、と話された。

 誰もが病気や苦しみの経験の重みに動揺するが、孤立したり絶望に陥ることなく、互いに助け合う関係を通し共に生きることが必要、と教皇は語った。

 教皇は、信仰の光の下、多くの兄弟姉妹たちにとって、苦悩や病気は成長のための決定的要素に成り得ることをわたしたちは知っている、と指摘。

 そして、何よりも、病者の世話をすると共に、わたしたちの苦しみを実りをもたらす種として、ご自身の救いの犠牲に一致させるようにと招く、イエスの模範を忘れてはならない、と説かれた。

 教皇は、弱い立場にある人、助けを必要とする人に対するイエスの深い「憐み」の態度を、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れまれる場面(参照 マルコ6,34)、空腹で疲れ切った群衆をかわいそうに思われる場面(参照 同8,2)、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちを、疲れることなくいやされる場面(参照 同1,32)、またこのほか数多くのエピソードの中に見つめられた。

 イエスは、苦しみについて説明するのではなく、苦しむ人々に向かってご自分の身を傾けられる。苦しみに対し、一般的な慰めや励ましではなく、その悲劇をご自身の中に受け入れ、それに触れられる、と教皇は話した。

 教皇は、イエスの人の苦しみに謙遜と柔和をもって手で触れる態度、罪びと、道に迷った人、疎外された人を連れ戻し受け入れる態度、精神・魂・体と人の全体へのいやしを望まれ、また、そのいやしとなぐさめを与える使命を弟子たちにも分け与える姿勢をも強調された。

 教皇は、「聖書の中の病気と苦しみ」という、すべての人に関係するこのセンシティブなテーマを、今後もより深めて欲しいと関係者らに願われた。

11 4月 2024, 16:31