教皇フランシスコ 小教区主任司祭の国際ミーティング参加者と 2024年5月2日 バチカン・シノドスホール 教皇フランシスコ 小教区主任司祭の国際ミーティング参加者と 2024年5月2日 バチカン・シノドスホール  (Vatican Media)

教皇「信者たちの様々なカリスマ活かすことが急務」小教区主任司祭らに

教皇フランシスコは、小教区の主任司祭たちの国際ミーティング参加者らに書簡を託された。

 教皇フランシスコは、5月2日、小教区の主任司祭らによる国際ミーティングの参加者らとお会いになり、この席で司祭らに書簡を託された。

 「シノドスのための小教区主任司祭」と題されたこの国際ミーティングは、バチカンのシノドス事務局と聖職者省の主催により、福音宣教省と東方教会省の協力のもとに行われたもの。

 昨年10月に開催された「共に歩む教会のため − 交わり、参加、そして宣教」をテーマにした「世界代表司教会議・第16回通常総会・第1会期」では、今年10月の第2会期開催に向けて、助祭・司祭・司教がより積極的にシノドスのプロセスに関わるための具体的な取り組み方法の必要が指摘された。このたびの国際ミーティングは、同シノドスの第一会期の提案に応え、第2会期をよりよく準備するために開催された。

 世界各国のカトリック教会を代表して訪れた小教区主任司祭ら300名は、4月29日から5月2日まで、ローマ郊外サクロファーノを会場に、傾聴と、祈り、識別の体験を共にした。

 参加司祭らは、集いの最終日、バチカンのシノドスホールで、教皇フランシスコとの出会いに臨んだ。

 教皇は司祭らとの対話の後、この機会のために記した書簡を渡された。

 この中で教皇は、教会は小教区の主任司祭たちの努力と奉仕がなくては前に進めないと述べ、あらゆる場所に福音の種を蒔く、司祭たちの日々の寛大な働きに深い感謝を表された。

 人口の多い大都会の郊外から、人口の少ない地方に至るまで、またヨーロッパの都市中心部に見られるようなお年寄りの多い古い教会から、自然豊かで子どもたちの声が響く場所に至るまで、司祭たちが働く小教区の環境も実にそれぞれであると教皇は指摘。

 主任司祭たちは、自分の小教区が置かれた環境と人々の暮らし、その苦労や喜び、必要や豊かさを内側から知っている人々であり、シノドス的教会は共に歩むことを学ぶために、まさに主任司祭たちを必要としている、と強調された。

 「小教区共同体のすべての信者たちが福音を告げるという唯一のミッションに参加しないならば、わたしたちは共に歩む宣教的教会には決してなれない」と教皇は述べ、さらに、「小教区がシノドス的・宣教的性格を持たないならばそれは教会といえない」とも記している。

 書簡の中で教皇は、小教区の主任司祭たちが共に歩む宣教的教会の築き手となるために、司祭生活と司牧活動に霊感を与える3つの助言を行われた。

 まず、教皇は、小教区の信者一人ひとりに与えられた様々な形の固有のカリスマを見出し、励まし、活かすことが急務であると述べると同時に、それは人間的な現実世界を福音宣教する上で不可欠であると説いている。

 次に、教皇は「共同体的な識別の技術」を習得し実践することを心から勧めている。そして、特に今シノドスの一連のプロセスにおいて、またシノドス総会・第一会期においても大いに役立った「聖霊における会話」の方法を活かすよう励ましている。

 最後に、教皇は、司祭間のまた自分たちの司教との分かち合いと兄弟愛にすべての基礎を据えるようにと招いている。何よりも自分たち同志が子となり兄弟とならなければ、わたしたちは人々の真の父とはなれず、また司祭たちや司教との間に交わりや分かち合いがなければ、自分たちに託された共同体でそれを生み出すことはできない、と教皇は述べている。

 教皇は、今回の国際ミーティングは小教区の主任司祭たちに耳を傾けることが目的であったが、それはここで終わったわけではないと述べ、これからも小教区の司祭たちへの継続的な傾聴を望まれている。

 

02 5月 2024, 16:49