コルプス・ドミニ:ローマ市内で教皇による伝統儀式
教皇フランシスコは、6月2日(日)、キリストの聖体(コルプス・ドミニ)を記念するミサを、ローマ教区の司教座大聖堂、ラテランの聖ヨハネ大聖堂でとり行われた。
カトリック教会の典礼暦で「キリストの聖体」の祭日は「三位一体」の主日の直後の木曜日に祝われるが、日本を含む多くの国では、信者が参加しやすいように、その直後の日曜日に記念される。
教皇はこの日、バチカンで正午の祈りの集いを行われた後、夕方、ラテランの聖ヨハネ(サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ)大聖堂に向かわれた。
教皇フランシスコが、「キリストの聖体」のミサを聖ヨハネ大聖堂で捧げ、聖マリア大聖堂で聖体降福式をとり行われるのは、2017年以来のこととなった。2018年と翌年、教皇はこれらの儀式をローマ郊外でとり行われている。それ以降は、新型コロナウイルスの影響や、ご自身の健康問題のために、伝統的な二つの大聖堂での儀式は行われなかった。
このミサの説教で教皇は、聖体のパンはキリストの真の現存であり、それは遠くではなく、わたしたちのそばにおられる神、決してわたしたちを見捨てず、わたしたちを探し、待ち、寄り添われる神について語っている、と話された。
感謝と自由と寄り添いを感じさせるこのパンを今日の世界はいかに必要としていることか、と教皇は述べながら、戦争やエゴイズムや無関心に覆われたこの世界で、希望を保ち、悪が壊すものを構築し続けるために、世界にこの愛のパンの香りをもたらすことは急務である、と説かれた。
ミサ終了後、聖ヨハネ大聖堂から聖マリア大聖堂に向けて、厳かな「聖体行列」が行われた。
この日の午前中は時折雨が降る不安定な天気となったが、聖体行列が行われた午後には澄んだ青空が広がった。
十字架を先頭に、助祭、修道者、信心会のメンバー、司祭、司教、枢機卿、そして大勢の信者らが、天蓋の下にローマの補佐司教が顕示する聖体を前後から囲むように行列を作り、灯火を手にし、祈りを唱え、聖歌を歌いながら、二つの大聖堂を結ぶメルラーナ通りを進んで行った。
行列はやがて聖マリア大聖堂に到着し、聖堂前の広場で教皇による聖体降福式がとり行われた。
人々は教皇と共に聖体を礼拝し、聖歌「タントゥム・エルゴ」を歌った。聖体を賛美する祈りに続き、教皇は聖体顕示台を掲げて十字のしるしをされ、会衆を祝福された。
そして、「サルヴェ・レジーナ」が合唱され、この祭日の伝統儀式は終了した。