教皇、バチカン庭園で10年前の平和の祈りを新たに
2014年6月8日、教皇フランシスコの招きにより、イスラエルの故ペレス元大統領、パレスチナのアッバス大統領、エキュメニカル総主教バルトロメオス1世を迎え、バチカン庭園で平和のための祈りの集いが催された。
それから10年、聖地の情勢が混迷を極める中、教皇フランシスコはかつて祈りの集いが行われた同じ場所を訪れ、平和への強い思いを新たにされた。
6月7日、夕方のバチカン庭園で行われた集いでは、国籍・宗教を超えた平和への祈りが再び繰り返された。
教皇はこの席で、10年前のイスラエルとパレスチナの両大統領の感動的な抱擁を思い起こす一方で、今日見る対立の拡大と多くの無辜の人々の死を見つめられた。
戦争の苦しみや残虐性、それが生む暴力や未来の世代にも蒔かれる憎しみの種は、「すべての戦争は最初の状態よりひどい世界を残す」(回勅 兄弟の皆さん、261)という確信を強めさせるもの、と教皇は指摘。
戦争によって問題を解決し、平和をもたらすという幻想を抱くより、今日残念ながら広がる、紛争や暴力や分裂は社会の通常の機能の一部というイデオロギーを見張り、批判しなければならない、と話された。
悲劇的な紛争に覆われたこの時代、平和な世界を築くための取り組みを新たにする必要がある、と教皇は述べ、平和を夢見ること、平和の関係を築くことを諦めてはならないと、すべての信者と善意の人々に呼びかけられた。
そして、教皇は、パレスチナとイスラエルの二国家が互いに共存できるように、またエルサレムが国際レベルの特別な規約によって守られ、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の信者たちの兄弟的な出会いの都市となることができるように、そのための平和到達への皆の努力を励まされた。
教皇は最後に10年前の集いで唱えた、平和を願い、平和を築くための具体的行動への勇気を求める祈りを神に捧げられた。