教皇「激動の時代に東方典礼カトリック教会を助ける必要」強調
教皇フランシスコは、6月27日、教皇庁東方教会援助事業会議(ROACO)の関係者とお会いになった。
東方教会援助事業会議はここ数日ローマで定例総会を開催していた。
総会参加者への挨拶で、霊的伝統と叡智にあふれる東方教会の豊かさに触れた教皇は、これらの東方教会の素晴らしさが、紛争や暴力によって傷つけられていることに心を痛められた。
多くの東方教会は、十字架の重みにうちひしがれ、キリストの聖痕を自身に負った「殉教者の教会」となっていると述べた教皇は、こうした状況にある場所として、特に聖地、ウクライナ、シリア、レバノン、中東全域、コーカサス地域、アフリカのティグレ地域を例に挙げられた。
教皇は、苦しむ教会を前に、無関心でいることはできない、と強調。聖パウロが貧しい人々を忘れないよう、連帯を呼びかけた言葉(参照 ガラテヤ2,10、2コリント8,9)を思い起こしつつ、苦しむ人々に助けと慰めをもたらすことで、神から霊感を受けたこれらの言葉に肉を与えるのは皆さんです、と話された。
教皇は、この激動の時代において、東方典礼カトリック教会が福音に強く根付き留まれるよう、助け続けることが必要と述べ、ROACOがその活動を通し、最も弱い立場の人の支援に貢献し、司祭・修道者たちが人々の叫びに常に耳を傾けることができるよう、その刺激となることを願われた。
聖地の悲劇的な状況を見つめた教皇は、平和の福音が告げられた場所で、戦争が苦しみを生んでいる不条理に、「暴力は決して平和をもたらさない」と、停戦を強くアピールされた。
教皇はウクライナのために、平和の糸口の追求、戦争捕虜の解放、子どもたちの帰還を祈られた。
また同時に、カラバフ地方の避難民への人道支援を励まされた。
さらに、教皇は、紛争のため、あるいはより良い生活のために海外に流出した東方教会の信者たちを思い、これらの兄弟姉妹たちがその宗教的アイデンティティーを失うことがないように、司牧的な支えを希望された。