世界難民移住移動者の日に向け、教皇フランシスコのメッセージ 世界難民移住移動者の日に向け、教皇フランシスコのメッセージ  (2021 Getty Images)

2024年度世界難民移住移動者の日に向け、教皇のメッセージ

今年9月29日に記念されるカトリック教会の「第110回世界難民移住移動者の日」に向け、教皇フランシスコのメッセージが発表された。

 カトリック教会の2024年度「世界難民移住移動者の日」が来たる9月29日(日)に記念される。

 今年で110回目を迎える同記念日のテーマは、「神はご自分の民と共に歩まれる(仮訳)」。

 教皇フランシスコはこの記念日に先立ち、メッセージを発表された。

 この中で教皇は、昨年2023年10月29日に終了した「シノドス第16回通常総会・第1会期」に言及。同会議が、「神の民の共に結ばれた歩み」という意味でのシノドス性の考察を深める機会となったと振り返っている。

 教皇は、教会のこのシノドス的側面は、歴史の中を天の御国に向かって巡礼する、旅する教会の本質を再発見させると同時に、今日の移民たちの中に、永遠の祖国に向かって歩む民の生きたイメージを見ることを可能にしてくれる、と述べている。

 教皇は、聖書の出エジプト記の旅と、今日の移民たちの旅に、多くの共通点を見出されている。モーセの時代のイスラエルの民のように、今日の移民たちも、多くの場合、抑圧や、治安の不安定、差別、将来のビジョンの欠如などに促されて祖国を後にせざるを得ず、その道中も飢えや渇き、疲労や病気に見舞われるなど、絶望に陥りかねない状況であると記している。

 すべての場所と時代における移民の旅には、神が先立って歩まれ、ご自分の民の歩みを見守られる、と教皇は述べ、人々の間におられる神の現存こそは、救いの歴史の一つの確信である、と説いている。

 実際、多くの移民たちは、旅の同伴者、導き手、救いの錨(いかり)としての神を体験する。移民たちは旅立ちに自らを神にゆだね、助けを必要とする時に神に寄り頼み、失望した時は神に慰めを求め、祈りの中で神に自分たちの希望を託す、と教皇は記している。

 神はご自分の民と共に歩まれるだけでなく、民の間に、特に貧しい人、疎外された人々の中におられる。それゆえに、移民との出会いはキリストとの出会いでもある。それはイエスご自身がマタイ福音書25章の中で述べているとおりである、と教皇は指摘する。

 「世界難民移住移動者の日」、教皇は、より尊厳ある生活を目指して祖国を後にしたすべての人たちのために一致して祈るようにと招かれた。

 そして、教皇は、天の御国を目指す旅する教会が、移民の兄弟姉妹たちと共に歩めるよう、また、支援を必要とする人との出会いがイエスとの出会いになるために、わたしたちの目と心が開けるよう、神に助けを祈られた。

04 6月 2024, 13:55