「未来を見つめる力と創造性」教皇、福音宣教省関係者らに励まし
教皇フランシスコは、8月30日、教皇庁福音宣教省の関係者に挨拶をおくられた。
福音宣教省・初期宣教部門は、29日と30日の両日、特別総会を開催、教皇庁立ウルバニアン(ウルバニアーナ)大学のアイデンティティーと使命、期待や将来像について考察した。
教皇はこの特別総会の参加者への言葉で、ウルバニアン大学のアイデンティティーと使命は切り離せない関係にあると指摘。大学で行われる育成、教育、研究、活動は、すべての人に福音を伝えるという、わたしたちが受け取った使命の一部を成している、と述べた。
さらに、その使命を実現する方法も固定化されたものではなく、常に開かれ、聖霊の息吹きに導かれたものでなくてはならない、と話した。
教皇は、かつてのウルバノ神学院から、ウルバニアン大学に至るまでの400年の歩みを振り返りつつ、この貴重な遺産が今日の教会と世界の問題に回答を与え得るものとなることを望まれた。
「わたしたちが生きる社会はキリスト教社会ではないが、われわれは今日の多様化された社会においてキリスト者として生きるように招かれている」と教皇は述べた。
また、教皇はウルバニアン大学へ寄せられる期待と未来像をめぐり、育成と研究の質の向上と、人材的・経済的リソースの合理化という2つの要求を一致させる必要を示しながら、そこには、今日の視点を越えて将来の教会や社会の状況を見つめる力と、ふさわしい道を見出すための健全な創造性が求められている、と語った。
ウルバニアン大学の場合、その育成過程に、宣教性と異文化間対話が特徴として浮かび上がらなければならない、と教皇は述べ、同大学で学んだ人々が、様々な文化や宗教との関係性の中で、キリスト教独自のメッセージを伝えていく必要を強調。
宣教的精神をもって、様々な文化の間で福音を宣べ伝え、福音を文化に根付かせることのできる司牧者や修道者、信徒らがいかに必要とされていることか、と話された。
教皇はこの会議の開催に感謝され、その作業の実りを祈られた。