ルイス・アントニオ・タグレ枢機卿 ルイス・アントニオ・タグレ枢機卿 

タグレ枢機卿「東方の国々の小さな教会は、皆の学び舎となり得る」

福音宣教省・初期宣教部門・副長官タグレ枢機卿は、来る9月に行われる教皇フランシスコの東南アジア・オセアニア訪問を前に、FIDES通信と対話した。

  教皇フランシスコは、2024年9月2日(月)から13日(金)まで、東南アジアとオセアニアを訪問される。

  この期間、教皇は、インドネシア(9月3日‐6日)、パプアニューギニア(9月6日‐9日)、東ティモール(9月9日‐11日)、シンガポール(9月11日‐13日)の4カ国を相次いで訪れる。

  福音宣教省・初期宣教部門・副長官ルイス・アントニオ・タグレ枢機卿は、教皇この4ヵ国歴訪を前に、教皇庁宣教事業の通信組織FIDESと対話した。

 タグレ枢機卿は、高齢の教皇が自身の在位中で最も長い一連の訪問を行うことを決意したことについて、当初この旅は2020年に予定されていたものの、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響でその計画が凍結されたという事情を振り返った。同枢機卿は、その後、教皇がこの計画を再び復活させたことに、驚きと、教皇が日頃「辺境の人々」に示してきた、父としての寄り添いを感じている、と語った。そして、高齢の教皇が体力的に負担のあるこの長旅を受け入れたことは、自分はまだこうした旅に耐えられるということの誇示ではなく、主の招きに対する謙遜、使命への従順を表すもの、と話した。

  今回の歴訪から、教皇が西方よりも、東方を優先していることが確認されたという意見があることについて、タグレ枢機卿は、教皇が特定の大陸や地方を好んでいるというのは誤った見方であり、実際、教皇はこの東南アジア・オセアニア訪問に続き、同じ9月末にはルクセンブルグとベルギーへの訪問を予定していると指摘。これまでも教皇がヨーロッパの多くの地方を訪れてきたことを振り返りつつ、教皇はご自身の司牧訪問を通して、すべての状況下のカトリック信者たちを励まそうとされていると述べた。

 また、タグレ枢機卿は、アジアは世界人口の大きな部分を占めているが、貧困層の割合も大きく、キリスト者たちはまさに貧しい人々の中にいると述べ、貧しいたちがイエスとその福音に惹きつけられていることを教皇は知っておられる、と語った。

 間もなく教皇の訪問を受けるキリスト教共同体は、全教会と何を分かち合えるか、という問いに対し、タグレ枢機卿は、ほとんどの訪問国において信者たちは少数派で、その存在は「小さな群れ」であることを説明。しかし、ヨーロッパのように教会が文化的・社会的ステータスを享受している地域でも、今日、多くの国で教会が「小さな群れ」として生きている現実を示しながら、東方の国々の小さな教会は、皆にとっての学び舎となり得る、と話した。

27 8月 2024, 17:12