「知識の境界を広げよう」教皇、ベルギーの大学教員らに

教皇フランシスコは、ベルギーのルーヴェン・カトリック大学で大学教員らとの集いを持たれた。

 教皇フランシスコは、9月27日、ベルギーのルーヴェン・カトリック大学で大学教員らとの集いを持たれた。

 ベルギーを訪問中の教皇は、同日午後、ブリュッセルの東方およそ27kmにあるフラームス=ブラバント州の州都ルーヴェン(ルーヴァン(フランス語))に向かわれた。

 同地にあるルーヴェン・カトリック大学( Katholieke Universiteit Leuven、KU Leuven)は、ブラバント公ジャン4世の願いのもと、教皇マルティヌス5世の認可を得て、1425年に創立された、世界最古のカトリック大学として知られる。

 教皇はまもなく創立600年を迎える同大学で、同大はもとよりベルギーの大学関係者、教員たちとお会いになった。

 関係者への挨拶で、文化的育成はそれ自体を目的とするものではない、と述べた教皇は、大学が「砂漠の伽藍(がらん)」となる危険を冒さないようにと話された。

 そして、大学とは、人間の生活や思考、社会の課題に対する新しいアイデアや刺激を促す場所、創造的な空間であるべきと語られた。

 大学は人類の進歩に奉仕するために、文化を創造し、思想を生み、真理の追求への情熱を育む場所であると述べつつ、教皇は特に「イエス・キリストの福音のパン種と塩と光を、また、常に新しいシナリオと提案に開かれた教会の生きた伝統をもたらす」というカトリック系大学の使命を思い起こされた。

 「知識の境界を広げよう」と教皇は招きつつ、それは概念や理論を倍増させることではなく、学問・文化の育成を「人生を理解し、人生に語りかける生きた空間」とすること、と強調。

 境界を広げる文化、「学派主義」や、自らを他者より上に置こうとする態度を持たない、世界の中にあって、良いパン種をもたらすことで人類の善に貢献する文化、この「より大きな希望」こそが皆さんに託された使命であると、教皇は大学関係者に呼びかけられた。

27 9月 2024, 20:43