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「福音を伝え、喜びを生き、いつくしみの実践を」教皇、ベルギーの教会に

教皇フランシスコは、ブリュッセルのサクレ・クール大聖堂で、ベルギーのカトリック教会関係者らとお会いになった。

 教皇フランシスコは、9月28日、ブリュッセルのサクレ・クール大聖堂で、ベルギーのカトリック教会関係者との集いを行われた。

 ブリュッセルのケーケルベルクの丘にそびえるサクレ・クール(聖心)大聖堂は、世界の教会の中でも5番目に大きい規模を持つ。ベルギー独立75周年を記念し、レオポルド2世の命により建てられた。1905年に始まった同聖堂の建設は、二つの世界大戦のために中断を余儀なくされ、ようやく完成を見たのは1971年であった。

 この日、教皇が同大聖堂でお会いになったのは、ベルギーの司教、司祭、助祭、修道者、神学生、そして司牧活動に携わる信者たち。

 教皇は関係者への挨拶で、ベルギーという文化や民族が交差する十字路において、この国の教会が「動く教会」として、地域の小教区の改革や、信徒の養成に努力し、人々に寄り添い、いつくしみを証しするする共同体作りに取り組んできたことを評価された。

 こうしたベルギーの教会が今後進むべき道を考察するためのキーワードとして、教皇は「福音宣教」「喜び」「いつくしみ」の3つを示された。

 一つ目の「福音宣教」の道をめぐり、教皇は、西洋で今日経験されている時代の変化と信仰の危機は、わたしたちを本質的なものへ、すなわち福音へと立ち返らせる、と指摘。あらゆる危機は、わたしたちを揺さぶり、自問させ、変化させるために与えられた機会であると説かれた。

 わたしたちはかつての社会の枠組みの中に受け入れられたキリスト教から、もはや「少数派 」のキリスト教、「証し」のキリスト教へと移行した、と教皇は話し、この現実は、信仰の習慣から、モデル、表現に至るまでの司牧上の転換をはかり、それが真に福音宣教に役立つようにと、教会に回心の勇気を促している、と述べられた。

 二つ目の「喜び」の道について教皇は、ここでいう喜びとは刹那的、娯楽的な喜びではなく、暗く苦しい時にも人生に寄り添い、それを支える、より大きな喜び、すなわち神から贈られた喜びである、と語った。

 そして、福音が心に呼び起こす喜びとは、長い人生の道のりにおいてわたしたちは独りではなく、貧しさや、罪、苦難の中にあっても、神が近くにいてくださり、死が勝利することはないと知る喜びである、と述べた教皇は、「喜びとは、恵みのしるしである」という、ヨゼフ・ラッツィンガー師(後のベネディクト16世)の言葉を思い起こされた。

 三つ目の「いつくしみ」の道において、教皇は、福音がわたしたちを喜びに導くのは、神がいつくしみ深い御父であることを発見させてくれるからである、と話した。

 教皇は、神はわたしたちに心動かされ、わたしたちを挫折から立ち上がらせ、わたしたちへの愛を決して取り消すことのない方である、と強調。

 わたしたちは「過ちを犯した者は、償わねばならない」という地上の正義をあてはめるが、神の正義はそれを超えるもの、と教皇は述べ、過ちを犯した人は償うことを求められるが、その人が心からいやされるには、神のいつくしみ深い愛が必要である、と語られた。

 教皇は、ベルギーの教会が福音を述べ伝え、福音の喜びを生き、いつくしみを実践することができるよう、関係者らを励まされた。

28 9月 2024, 14:33