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教皇フランシスコ、イエズス会会員との集いで 2024年9月4日 インドネシア・ジャカルタ 教皇フランシスコ、イエズス会会員との集いで 2024年9月4日 インドネシア・ジャカルタ 

「慎重と勇気をもって証しを」教皇、東南アジアのイエズス会会員に

教皇フランシスコが東南アジア・オセアニア訪問中に行ったイエズス会会員との対話が「チヴィルタ・カットリカ誌」の記事にまとめられた。

 教皇フランシスコは、9月2日(月)から13日(金)まで、インドネシア、パプアニューギニア、東ティモール、シンガポールを訪問された。

 海外司牧訪問の際、現地のイエズス会会員と対話を行うことを習慣としている教皇は、この歴訪中、9月4日ジャカルタ、10日ディリ、そして11日シンガポールで、それぞれ関係者との集いを持った。

 今回の訪問に随行員として参加した教皇庁文化教育省局長、イエズス会士アントニオ・スパダーロ神父は、「チヴィルタ・カットリカ誌」のために、これらの対話の内容を記事にまとめた。

 スパダーロ神父によれば、教皇フランシスコは、3回にわたるイエズス会会員との対話で、1991年に亡くなったイエズス会の元総長ペドロ・アルペ神父について繰り返し言及した。

 そして、難民のために働くこと、祈りを通して社会の不正義に立ち向かう力を得ることをアルペ神父の霊的遺言として思い起こしたという。

 また、教皇は、アルペ神父がラテンアメリカのイエズス会会員らに、社会正義の中に混じったイデオロギーの危険について話した時の説明を重要なものとして振り返った。

 教皇は対話の中でミャンマーの困難な情勢に触れ、「今日、ミャンマーにおいて沈黙することはできない。何かをしなくてはならない」と述べたほか、ロヒンギャの人々をいつも心に留めている、と話した。

 教皇は、ミャンマーの「シンボル」であるアウンサンスーチー氏の解放と保護を訴えており、ローマを訪れた同氏の息子と会見した際、スーチー氏をバチカンの領土内に受け入れることを申し出たという。

 キリスト教徒が迫害されている状況に助言を求めた会員に対し、教皇はキリスト者の道は常に「マルティリオ(殉教)」すなわち「証し」の道であると述べつつ、証しのために「慎重」と「勇気」という2つの要素のもとに、それぞれが自分の道を見つける必要を説いた。

 福音とインカルチュレーションをめぐり、教皇はアルペ神父が信仰のインカルチュレーションと、文化の福音化に努力していたことを指摘しながら、信仰が文化の中に受肉する必要を強調した。

 社会正義をめぐり、教皇は社会正義は福音の本質的かつ不可欠な要素と述べ、社会正義の実現には、「手」「頭」「心」の3つの人間的表現がそれぞれ大切と話した。そして、たとえば、現実から離れた抽象的な知識、あるいは、心や知識のない仕事は、社会正義のために役立たない、と語った。

 教皇は、「安泰よりも、勇気ゆえに失敗する方が良い」「いつも失敗を恐れる人は、人生で何もできない」と話しつつ、東南アジアのイエズス会員らを励ました。

24 9月 2024, 18:20