教皇フランシスコと民間運動の代表者たち 2024年9月20日 教皇庁総合人間開発省本部で 教皇フランシスコと民間運動の代表者たち 2024年9月20日 教皇庁総合人間開発省本部で  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

「社会正義は愛を通して理解される」教皇、民間運動の代表者らに

教皇フランシスコは、世界各地の民間運動の代表者らとお会いになった。

 教皇フランシスコは、9月20日、世界各地の民間運動の代表者らとお会いになった。

 この出会いは、2014年10月にバチカンで開かれた、民間運動に携わる人々の最初の国際集会から10年を記念して行われた。

 教皇庁総合人間開発省本部、ローマ・トラステヴェレ地区のサン・カリスト館で行われたミーティングには、「家・土地・仕事」をモットーに、「すべての家族に家を、農民に土地を、労働者に権利を」保証することを目指し、五大陸で様々な民間運動に携わる人々が参加した。

 教皇は関係者への挨拶で、社会正義のテーマに触れつつ、最も弱く貧しい人々や、高齢者や子どもを思いやり、他者に憐みをもって寄り添い、社会の片隅に追いやられた声なき人々の声となるようにと呼びかけられた。

 また、教皇はこの席で、豊かな人々に向けて、富は分かち合い、創造し、兄弟愛を推進するためのもの、とアピールされた。

 教皇は、市場と金融投機の絶対的自由を見直し、不平等の原因にメスを入れることで、貧しい人々の問題を根本的に解決しない限り、世界の諸問題を乗り越えることはできないだろう、と述べた。

 貧しい人について多く話し、中間層についてあまり話さないことを教皇は詫びながらも、福音書における貧しい人々の中心性を否定することはできない、貧しい人々を関心の中心に置くのは教皇ではなく、イエスであると話された。

 教皇は、経済的な有力者たちが自分だけの世界から抜け出し、お金が与える偽の安全を拒み、富の分配に開くことを願いつつ、有徳なのは、ため込むことではなく、分け与えることであると強調。イエスはため込まず、増やし、弟子たちに配らせたことを思い起こされた。

 愛がなければこうしたことは理解できないと語る教皇は、社会正義や統合的エコロジーは愛を通してこそ理解されるものと説かれた。

 新しい世代の人々が、戦争や、暴力、不平等、自然の搾取などのない、今よりもずっと良い時代を見出すことができるよう教皇は願いつつ、現実は難しくても、常に希望することが大切、と話された。

 

20 9月 2024, 18:46