教皇、インドネシアの「スコラス・オクレンテス」の青年たちと
教皇フランシスコは、訪問中のインドネシア・ジャカルタで、9月4日、教育ネットワーク「スコラス・オクレンテス」のプログラムに参加する若者たちとお会いになった。
「出会いの学校」という意味を持つ「スコラス・オクレンテス」は、教皇フランシスコがアルゼンチンのブエノスアイレス大司教区の大司教であった時から進めてきた教育ネットワークで、出会いと対話の機会を与え、自分とは異なる存在への尊重を育てることを目的としている。公立・私立を問わず様々な教育機関や、幅広い職業の人々が協力し合い、芸術や、スポーツ、テクノロジーなどの分野の体験を通し、世界各地で若者たちに新しい教育のチャンスを創出している。
教皇がインドネシア訪問2日目の夕方に向かわれたのは、ジャカルタのカトリック教会のカテドラルの地区にある「青年の家」。
この「青年の家」は、1914年、一人のイエズス会の司祭によって、若者たちの活動のために建てられた。現在ではカテドラルの小教区の施設として、教会の未来である青少年の育成のために用いられている。
このたび、同施設内に「スコラス・オクレンテス」の支部が設けられた。これは、インドネシアはもとより、アジア南東部で最初の「スコラス」の拠点となる。
「青年の家」を訪問された教皇は、カトリックや他の諸宗教に属する青少年たちおよそ200名と出会い、歌や演奏、代表の若者たちが語る言葉に耳を傾けた。
教皇は若者たちとの対話の中で、「それぞれの違いは悪ではなく、美しいもの」「友だち同士の議論は悪いことではない。争いは常に敗北だが、それに対して友だちと論じ合うことは、わたしたちを成長させる」と助言された。
多様性の中の調和を象徴するものとして、およそ1200人の若者が参加して造形したインスタレーションが披露された。「多面体の心」をテーマとしたこの作品には、リサイクルされた色とりどりの布や紙などが用いられ、若者たち一人ひとりの大切なものや思い出の品がコラージュされている。教皇はこの作品の仕上げとして加えられるメッセージを一枚の紙に記された。
また、この集いで、教皇は植樹予定の1本の木の苗を祝別し、象徴的に土と水を与えられた。