教皇、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談
教皇フランシスコは、10月11日(金)、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領をバチカン宮殿に迎えられた。
ゼレンスキー大統領のバチカン訪問は、2020年を最初に、ウクライナ戦争勃発から1年4か月後の2023年5月、そして今回で3度目となる。
これに加え、教皇は、今年6月、イタリア南部プーリアで開催された先進7カ国首脳会議(G7)の会場、ボルゴ・エニャツィアで、ゼレンスキー大統領とお会いになったほか、電話による会談を持たれている。
また、教皇は、昨年6月、ボローニャ大司教・イタリア司教協議会会長マッテオ・ズッピ枢機卿を特使としてウクライナに派遣。バチカンの国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿も、今年7月のウクライナ訪問でゼレンスキー大統領と会見している。
11日午前行われたゼレンスキー大統領のバチカン訪問で、教皇は同大統領と35分にわたる個人会談を持たれた。
その後、行われた贈り物の交換では、教皇から、平和をテーマにしたブロンズ製のレリーフ作品や、カトリック教会の今年度「世界平和の日」のメッセージなど教皇文書、ウクライナ東方カトリック教会の歴史や殉教者について書かれた本「真理のために迫害を受けて、鉄のカーテンの裏のウクライナのギリシャ典礼カトリック教会」などが贈られた。
また、ゼレンスキー大統領からは、「ブチャの虐殺、マリチカの物語」と題された油絵が贈られた。この作品では、マリチカという架空の少女の目を通してブチャの虐殺が描かれている。
教皇との出会いに続き、ゼレンスキー大統領は同日、バチカン国務長官パロリン枢機卿、および外務局長ポール・リチャード・ギャラガー大司教とも会談した。
国務省での会談は、ウクライナにおける戦争の情勢と人道的状況が中心テーマとなり、停戦への道のりや、それに伴う正しい、安定した平和についても話し合われた。
さらに、ウクライナでの宗教活動をめぐるいくつかの問題についても検討が行われた。