アルゼンチン・チリ平和友好条約締結40周年の集い
教皇フランシスコは、11月25日、アルゼンチン・チリ平和友好条約締結40周年を記念する集いを行われた。
アルゼンチン・チリ平和友好条約は、アルゼンチンとチリ間にあるビーグル水道の南、ピクトン島、レノックス島、ヌエバ島をめぐって両国間に生じた係争と緊張を回避するため、1978年、教皇聖ヨハネ・パウロ2世が仲裁を行い、翌1979年に結ばれたモンテビデオ条約を基礎として、1984年、2カ国間で締結されたもの。
集いの席で教皇は、アルゼンチンとチリの使節、および教会関係者、そして駐バチカン外交団に挨拶をおくると共に、この記念行事を企画した両国大使館に感謝を述べられた。
教皇は関係者らへの言葉で、2カ国間の長年の領土問題に、聖ヨハネ・パウロ2世の仲裁と粘り強い交渉を通して終止符を打ち、兄弟である両国民間の武力紛争を防ぐことができた、この幸いなる出来事を喜びをもって思い起こされた。
そして、教皇は、アルゼンチン・チリ平和友好条約を、今日の世界に、平和と対話の新たなアピール、倣うべきモデルとして示された。
教皇は、同条約はそのタイトルにあるように「平和」と「友好」を目指し、相違を乗り越えるのみならず、すべての人の協力を通した調和ある友愛の推進を追求するための方法をも提供している、と指摘。
それゆえに、武力と威嚇に頼り、解決への実際の意志がないままに、多くの紛争を長引かせ、増大させている今日の世界に、平和的な方法をもって対立を完全で恒久的な形で解決したこの例を再提案する価値がある、と強調された。
同条約締結40周年を記念し、数週間前、アルゼンチンとチリの司教団は新たな共同宣言に署名し、その中で兄弟である2国民間の戦争を回避し、対話と平和を優先させたこの条約を神に感謝すると同時に、聖ヨハネ・パウロ2世の仲裁と、それに続くサモレ枢機卿とカサローリ枢機卿の取り組みを回顧していることを、教皇は紹介。
同条約が表す国家間の出会いと調和の精神が、平和を望むラテンアメリカと全世界において、様々な危機の解決を励ますようにと祈られた。