主の降誕:教皇「神の御心の聖なる門があなたのために開いた」
教皇フランシスコは、12月24日(火)、バチカンの聖ペトロ大聖堂の聖年の「聖なる扉」を開かれた。
開かれた聖年の扉をくぐり、教皇に続き、世界五大陸を代表する家族たちや、聖職者、修道者らが大聖堂に入場。聖堂内に待機し教皇らを迎えた人々と共に、主の降誕の夜半のミサが捧げられた。
ミサの冒頭では、救い主の誕生を告げる「カレンダ」が力強く朗誦された。
その後、幼きイエス像を覆っていた布が取り除かれると、子どもたちによる献花と、助祭による献香が行われた。
教皇はミサの説教で、光に包まれた天使が野宿をしていた羊飼いたちに言った「わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのための救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである」(ルカ2,10-11)という喜ばしい知らせを繰り返しつつ、「これこそわたしたちの希望です。神はインマヌエル、わたしたちと共におられる方です」と強調された。
「幼子イエスの小ささにおいて、限りなく偉大な方が小さき者となられ、神の光が世の闇の間に輝き、天の栄光は地上に接しました」と述べた教皇は、神がおいでになり、その神を飼い葉桶のように貧しいわたしたちの心にお迎えできるなら、「希望は消えてはおらず、生きており、わたしたちの人生を永遠に包むでしょう」と語られた。
「聖なる扉」の開門と共に新たに聖年が始まった今、この恵みのお告げの神秘に入るようにと教皇は一人ひとりに招き、「この夜、希望の扉は世界に向けて開け放たれました」と話された。
教皇は、わたしたちは恵みをいただくだけではなく、希望が失われた場所に、たとえば刑務所や、貧しい人が暮らす場所、戦争や暴力に蹂躙された場所に、希望をもたらさなければならないと指摘。
「すべての人に福音の希望、愛の希望、ゆるしの希望を与えるために、聖年は幕を開けました」と述べた教皇は、「この夜、神の御心の「聖なる門」があなたのために開きました。わたしたちと共におられる神、イエスは、あなたのために、わたしたちのために、一人ひとりのためにお生まれになりました。イエスと共に喜びは花開き、イエスを通して人生は変わり、イエスによって希望はあざむくことがありません」と説かれた。
ミサの終わりに、教皇は幼きイエス像を抱き、子どもたちと一緒に大聖堂内に設けられたプレゼピオまで向かわれた。幼きイエス像が助祭によって馬小屋の飼い葉桶の中に寝かされると、教皇は子どもたちと共にプレゼピオの前にとどまり、主の降誕の神秘を観想された。