若者たちと共に労働を考える催しに教皇のメッセージ
教皇フランシスコは、若者たちと一緒に労働を考えるためのイベントにメッセージをおくられた。
キリスト教系労働者団体、ACLI・ローマ支部が主催したこの催しは、若者たちと労働界を結ぶことを目的に、17歳以上の若者たちを対象に、自治体や、教育機関、企業の協力を得て行われる。
イベントの中では、労働の価値を考え、未来の労働を展望するための講演や、興味のある分野をより良く知るため、また就職活動を実践するためのワークショップなどが行われる。
教皇は同イベントに参加する若者たちに宛てたメッセージで、尊厳ある労働を推進するこの催しに喜びを表わされた。
人生はわたしたちに絶え間なく外へ出るようにと招いている、と記す教皇は、混乱や脅威に囲まれた世界にあってわたしたちは自分の「巣」に閉じこもりたくなるが、実はわたしたちは光のために、開かれた世界のためにつくられている、と説いている。
仕事の世界に接する時、すべてがスピードをもって動いているように見えるだろう、と教皇は述べつつ、しかしそのような状況の中でも、平和と自由を保つために、心を守ることを学び、皆さんを侮辱したり、心の純粋さを汚すような要求に屈することがないようにと願われている。
実際、貢献とは、時には悪いことを含めて何でもするということではない、地位やお金のために、自分が信じてもいない生き方を選ばないようにと、教皇は注意を与えている。
悪は理性を失わせ、夢を消し去り、わたしたちを孤立させ、諦めを抱かせるが、心はこうしたことを察知する、と教皇は指摘。そうした時は、助けを求め、わたしたちをよく知り、大切にしてくれる人たちと力を合わせるように、と勧めている。
教皇は、心を持たずに組織された仕事は、働く人や、仕事を求める人の尊厳を傷つける、と警告。
しかし、経済自体が効率だけがすべてではないことに気づき始めている今、人間性と心を大切にし、神が一人ひとりを唯一無二の存在につくられたことを忘れず、互いに助け合おう、と呼びかけている。