大晦日:教皇、バチカンで夕べの祈り、過ぎた一年を振り返る
教皇フランシスコは、2024年の大晦日にあたり、バチカンで「神の母聖マリア」の祭日(1月1日)の前晩の祈り(第一晩課)の集いを行われた。
2024年を締めくくるこの集いには、バチカンで働く枢機卿や司教らはもとより、ローマ市長ら地元行政の代表、そして多くの熱心な信者らが参加した。
ちょうど一週間前の12月24日、主の降誕の夜半のミサで「聖なる扉」が開かれ、2025年の「聖年」の歩みが始められた聖ペトロ大聖堂において、教皇は説教で過ぎた一年を特に聖年準備の努力という視点から振り返った。
聖年を迎える前のこの一年は、街中で始まった大小の工事のために、ローマ市と市民、また巡礼者・旅行者らにとって決して容易ではない年であったと教皇は述べつつ、しかし、これらの準備や工事が意味したものは、本来の整備的な目的以上に、「すべての人を神の子として認め、兄弟として受け入れる」ローマの召命を表すものであったと話された。
こうした意味で、わたしたちが「兄弟愛の希望」という大きな展望のもとに働けることを神に感謝しなければならない、と教皇は指摘された。
兄弟愛的な世界の希望とは、イデオロギーやスローガンの類ではない、それが何であるかは聖母マリアがわたしたちに示すイエスの中にある、と述べた教皇は、兄弟愛的な世界の希望とは、まさに人となられた神の御子イエスそのものであると強調。
イエスが御父に遣わされたのは、わたしたち皆が天の御父の子となり、神のもとに皆が兄弟姉妹となるためであった、と説かれた。
ローマの工事の成果に感謝すると共に、本当の工事現場とは自分自身であると知り、神の子としてふさわしく、より人間的に兄弟的に生きることができるよう、毎日自分を変えていく努力が大切と話し、教皇は皆を励まされた。
この後、教皇はこの一年を神に感謝し、皆と共に賛歌「テ・デウム」を捧げられた。