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教皇フランシスコ、神学の未来をテーマにした国際会議参加者らと 2024年12月9日 バチカン宮殿 教皇フランシスコ、神学の未来をテーマにした国際会議参加者らと 2024年12月9日 バチカン宮殿  (Vatican Media)

教皇、神学の未来を考える国際会議の参加者と

教皇フランシスコは、神学の未来をめぐる国際会議の参加者らとお会いになった。

 教皇フランシスコは、12月9日(月)、この日開幕した、神学の未来をテーマにした国際会議の参加者らとお会いになった。

 教皇庁教育省が主催したこの会議は、過去の世代の偉大な神学的遺産をいかに受け継ぐかを考えると共に、神学の未来を思い描くことを目的に、世界の神学者・研究者らを招き、ローマの教皇庁立ラテラン大学を会場に、10日まで開かれている。

 関係者への挨拶で、神学を光のイメージにたとえた教皇は、光のおかげで、物が闇から浮かび上がり、顔の輪郭や、世界の形・色が現れるように、また、物を現わしても、光自体は自分の姿を見せないように、神学とは、キリストと福音の光が際立つように、隠れた謙遜な働きをすること、と話された。

 「神学は今どこにいて、これからどこへ行こうとしているのか」、「神学は人類のために何をしているのか」、「過去の神学の遺産は、今日の時代の挑戦と未来の投影に役立つことができるのか」ということを考えるこの会議に対し、教皇は「神学が思想の深化を助けるように」、「神学がすべての人にアクセスしやすいものとなるように」との、2つの視点を助言された。

 思想の深化とは、単純化から抜け出すこと、と述べた教皇は、現実の複雑さに耐えられない時、人は物事の単純化に走りがちだが、単純化は現実をゆがめ、不毛で画一的な思想や、二極化、分裂などを生み、イデオロギーのように一つの考えを強迫観念的に繰り返しかねない、と警告。

 単純化を防ぐために、哲学や、文学、芸術、数学、物理、歴史、法学、政治、経済などの他の学問に、神学的な考え方を合わせ、これらを一緒に発酵・成熟させることが必要であり、こうすることによって、神学は教会や文化の中で再び輝きを取り戻し、皆の、そしてそれぞれの真理の追求に役立つことができるだろう、と説かれた。

 また、教皇は、近年、多くの成人、特に中年以降の人たちに、再び大学の学部・講座に申し込むなど、勉学への興味を取り戻すと同時に、改めて信仰を深めようと努力する傾向があるが、神学が皆にアクセスしやすいものとなるためには、こうした人々のために、神学の教育機関が「家」となって扉を開くことが必要、と話された。

10 12月 2024, 15:14