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神の母聖マリア:教皇「いのちを愛することが平和の文明の基礎に」

2025年の元日、教皇フランシスコは「神の母聖マリア」の祭日のミサをとり行われた。

 2025年の元日、教皇フランシスコは「神の母聖マリア」の祭日のミサをバチカンの聖ペトロ大聖堂でとり行われた。

 カトリック教会の暦は、一年の最初の日を神の母聖マリアに捧げると共に、「世界平和の日」を記念する。

 今年で第58回目となる「世界平和の日」のテーマは、「わたしたちの負い目をゆるしてください、あなたの平和をお与えください」。

 ミサの説教で教皇は、「神の母聖マリア」の祭日は、神がマリアの胎を通してわたしたちと同じ人となられたという主の降誕の神秘の中へわたしたちを再び導くものと述べた。

 主の降誕の夜半のミサで聖なる扉が開かれ聖年が始まったことに触れながら、教皇は「マリアはキリストがこの世にお入りになった門である」という聖アンブロジオ司教教会博士の言葉を思い起こされた。

 「神は、その御子を女から[…]お遣わしになりました」(ガラテヤ4,4)。使徒聖パウロはこう記すことで、神が人間の胎を通して本当に人となられたことをわたしたちに思い出せようとしている、と教皇は指摘。

 今日、宗教に対する漠然とした考えから、神を「抽象的」存在として想像する傾向が多くの人々に見られ、また、そうした考え方にキリスト者も誘惑されがちだが、それに対し、わたしたちの救い主イエス・キリストは、女から生まれ、血肉を持ち、顔と名前があり、わたしたちと関わることを望まれる方であると説かれた。

 神の御子が、母の腕に抱かれ世話を受けるために小さくなられたならば、今日、御子は同じように配慮や傾聴、優しさなどを必要としているすべての兄弟姉妹の中におられる、と教皇は話した。

 この「世界平和の日」にあたり、教皇は、マリアのようにいのちの尊い賜物を大切にし、胎児や子ども、お年寄り、苦しむ人や貧しい人をはじめ、すべてのいのちを世話し、守ることを学ぶように招いた。

 そして、すべてのいのちに尊厳を取り戻させ、すべてのいのちを愛することが、平和の文明を築き、希望の未来を見つめるための基礎となる、と呼びかけられた。

01 1月 2025, 19:42