「教皇は治療に反応も、まだ危険は脱していない」担当医ら会見で
教皇フランシスコが呼吸器感染症のためにローマのアゴスティーノ・ジェメッリ総合病院に入院してから1週間が経過した。
2月21日(金)、同病院のホールで、教皇を担当する医療チームの医師らによる記者会見が開かれ、現在の臨床的所見、今後の見通しなどについて話した。
会見に臨んだのは、ジェメッリ総合病院の外科部長で、当医療チームの責任者を務めるセルジョ・アルフィエーリ教授と、バチカン市国保健衛生局副局長ルイジ・カルボーネ医師。
この会見で、アルフィエーリ教授は記者らの質問に対し、「教皇が危険な状態から脱したか、と言えば、答えはNO」であり、では「死の危険に瀕しているのかと言えば、それもNO」であると語った。
アルフィエーリ教授は、今朝、医療チームは教皇の病状の改善を認めた、と述べつつ、「教皇が病院に来た時に比べればかなり良いが、状況が変化する可能性もある」と話した。
カルボーネ医師も、「教皇は治療に反応しているが、わずかなことでバランスを崩しかねない」と指摘。その一方で、心臓はしっかりしているとも述べた。
アルフィエーリ教授は、肺炎の治療過程は通常長いと説明、教皇の入院生活は病院での治療が必要でなくなるまで続くだろうと話した。そして、「少なくとも来週全体」はまだ入院が必要であることを示しつつ、「良くなった時点で退院すべき」と強調した。
同教授は、教皇は自発呼吸をすると共に、食事もでき、明朗さを保ち、「肘掛け椅子に座り」、「仕事を続け、文書を読み、署名し、会話を交わす」ことができる状態であることも明らかにした。
教皇の病状にはどのようなリスクが考えられるかという記者の質問に、万一、敗血症が起きれば、非常に難しい状況になるが、幸い、現在のところそれはないと答えた。