「希望の中を共に歩もう」2025年度四旬節に教皇メッセージ
教皇フランシスコの2025年度「四旬節」のメッセージが発表された。
カトリック教会の典礼暦は、3月5日の「灰の水曜日」から、復活祭の準備期間である「四旬節」に入る。
今年の「四旬節」のメッセージのテーマは、「希望の中を共に歩もう」。
教皇はこのメッセージで、聖年の恵みで豊かにされたこの四旬節に、「希望のうちに共に歩む」ことの意味を考え、神のいつくしみが、個人そして共同体としてのわたしたちに向ける回心の呼びかけを発見するようにと招いている。
まず、教皇は「歩む」という言葉に関連し、「希望の巡礼者」という聖年のモットーを改めて取り上げている。
このモットーに教皇は、『出エジプト記』にある、約束の地へと向かうイスラエルの民の長い旅のストーリーや、悲惨な状況や暴力から逃れ、自分と家族のためにより良い生活を求めて旅立つ今日の多くの兄弟姉妹の姿を重ねている。
わたしたちは皆人生の巡礼者である。しかし、自分は本当に歩んでいるのか、それとも恐れや絶望の中で麻痺し、静止しているのか、あるいは安楽さに浸っているだけなのかを自問するように教皇は勧められた。
次に「共に」という言葉をめぐり教皇は、「共に歩む」とは「シノドス的」であることであり、それは教会の召命である、と強調。
そして、「共に歩む」とは、神の子としての共通の尊厳から出発し、一致を紡ぎ出す者となることである、と述べている。
教皇はこの四旬節に、自分たちの生活、家庭、職場、小教区、共同体において、わたしたちが他者と共に歩み、耳を傾け、自分の言い分に立てこもる誘惑に打ち勝っているかを省みるよう助言された。
最後に、教皇は「希望の中を」共に歩むことの大切さを指摘。
聖年の中心的メッセージである「欺くことのない希望」(参照 ローマ5,5)が、復活の勝利へと向かう四旬節の旅路の先に広がることを祈られている。