教皇フランシスコ、選出から12年
教皇フランシスコは、2025年3月13日、ローマ教皇に選出されてから12年を迎えられた。
教皇フランシスコ(本名:ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)は、2013年3月13日、ベネディクト16世の引退に伴うコンクラーベで、第266代目のローマ教皇に選出された。
今年、教皇はこの選出記念日をローマのアゴスティーノ・ジェメッリ総合病院で、多くの人々のメッセージや祈りに囲まれながら迎えられた。
教皇は、今年2月14日、呼吸器感染症のために同病院に入院し、治療を続けておられる。現在、教皇の病状は安定し、3月10日の医師団の報告によれば、改善がより強まったことが確認された。
この入院生活で、教皇は一日を祈りと仕事と休息に捧げつつ、日曜日のお告げの祈りや、水曜日の一般謁見、聖年の様々な行事等、折々に発表される、挨拶や、メッセージ、説教、カテケーシスなどを通し、信者との霊的な交流をはかっている。
教皇はこの過ぎた一年で、精力的に海外やイタリア国内の都市を訪れた。海外訪問では、ご自身のこれまでの司牧訪問の中で最も長いアジア・オセアニア4カ国訪問(2024年9月、インドネシア、パプアニューギニア、東ティモール、シンガポール)をはじめ、欧州2カ国訪問(同年9月、ベルギー、ルクセンブルグ)、フランス・コルシカ島訪問(12月)を行われた。
イタリアでは、北部の都市(4月ベネチア、5月ヴェローナ、7月トリエステ)を相次いで訪問されたほか、同年6月には、イタリア南部プーリアで開催された先進7カ国首脳会議で、人口知能をめぐりスピーチをされている。
カトリック教会の大きな行事として、教皇は昨年10月、「共に歩む教会」をテーマにした「世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会」第2会期を主宰。この会期中、ご自身の4番目の回勅で、イエスの聖心に対する信心をテーマにした『ディレクシット・ノス』を発表。さらに、会期中に、東京教区大司教・菊地功枢機卿をはじめとする、21人を新枢機卿として指名し、12月の公開枢機卿会議でこれらの新枢機卿の叙任式をとり行われた。
また、昨年4月に行われた日本の司教団のバチカン定期訪問で、教皇は司教たちを温かく迎えられた。
教皇は昨年5月、2025年の聖年を布告する勅書『スペス・ノン・コンフンディト』を公布、2024年度降誕祭の夜半のミサで、教皇はバチカンの大聖堂の「聖なる扉」を開き、「希望の巡礼者」をテーマとする聖年の開幕を告げた。
世界に広がる紛争や暴力に対し、教皇は一貫して対話をとおした平和構築をアピールされ、現在もウクライナ、パレスチナ、イスラエル、レバノン、ミャンマー、スーダン、コンゴ民主共和国をはじめ、世界のすべての場所に平和の賜物を祈られている。