教皇が感謝の言葉、病者と医療界の聖年のミサで
「病者と医療界のための聖年」の記念ミサが、4月6日(日)、バチカンの聖ペトロ広場で捧げられた。
福音宣教省世界宣教部門副長官サルバトーレ・リノ・フィジケッラ大司教の司式によるこのミサには、病者と家族たち、医師や看護師らをはじめとする医療従事者、医療の世界におけるボランティアや司牧者らが参加した。
ミサの後半、現在バチカンのサンタ・マルタ館で療養中の教皇フランシスコが、車椅子で広場に姿を現され、参加者らに大きな喜びを与えた。
教皇は人々の拍手と歓声に応えつつ、「皆さん、よい日曜日を。どうもありがとう」と感謝の言葉を述べられた。
教皇は呼吸器感染症でローマのジェメッリ病院に入院中の日々にも、また退院後、バチカンで療養生活を続ける中でも、ご自身の苦しみや困難を他の病者らと分かち合いながら、連帯を示されると共に、医療関係者への深い感謝を表されてきた。
同日、教皇はこの記念ミサにサプライズで参加されることで、病者への寄り添いと医療関係者への励ましを新たにされた。
また、教皇がこのミサのために用意された説教が、儀式中、司式者のフィジケッラ大司教によって代読された。
その中で教皇は、「病気は人生で最も困難で辛い試練の一つであり、そこでわたしたちは自分がいかに脆い存在であるかを実感することになる」と述べつつ、「こうした時でさえ、神はわたしたちを決して独りにはされない。神に自らを委ねるならば、まさにわたしたちの力が及ばないところで、神の現存から来るなぐさめを体験することができる」と招いている。
そして、教皇は、「人となられた神は、わたしたちの弱さをすべて分かち合うことを望まれる方であり、苦しみとは何であるかをご存知である。神にわたしたちの苦しみを話し、それを委ねるならば、必ずやなぐさめと、寄り添い、優しさを見出すことができるだろう」と強調。
「神はその愛をもって、わたしたちをご自身の現存のメッセンジャーとされ、病床を救いと贖いの『聖なる場所』に変えてくださる」と説いている。