聖ヨハネ・パウロ2世帰天20年、バチカンでミサ
4月2日(水)、教皇聖ヨハネ・パウロ2世の帰天から20年を迎えた。
第264代ローマ教皇、ヨハネ・パウロ2世(カロル・ヴォイティワ、1920.5.18ポーランド生まれ、在位:1978.10.16-2005.4.2)は、今から20年前、教会暦で復活祭から一週間後の「神のいつくしみの主日」の前夜に帰天した。
ヨハネ・パウロ2世はその後、2011年にベネディクト16世によって列福、2014年に現教皇フランシスコによって列聖された。
聖ヨハネ・パウロ2世の帰天から20年を記念するミサが、4月2日、バチカンの聖ペトロ大聖堂で捧げられた。
ミサを司式したバチカンの国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿は、その説教で聖ヨハネ・パウロ2世のこの地上での最後の日々と、その揺るぎない信仰、深い観想に根差した霊性を振り返った。
パロリン枢機卿はその説教で、聖ヨハネ・パウロ2世が日頃繰り返していた「すべてのものが神の目には裸であり、さらけ出されている」(ヘブライ人への手紙4,13)という言葉を示しつつ、同教皇の全生涯、すべての使命は、神の御前における完全な透明性の中にあったと回想。
神の御目の前で生きていることを自覚する者は何も隠すことがなく、人々の目を恐れない。人々の歓心を買うより、神の御前で生きることを大切にする、それがヨハネ・パウロ2世のあらゆる状況下での勇気と絶えざる信仰の証しの基礎の一つであった、と話した。
また、イエス・キリストへの燃える愛において、同教皇は受肉の神秘を普遍の歴史の中心とみなし、あらゆる現実の側面や、教会、人間の活動を「唯一の贖い主」キリストとの関係の中で捉え、そこに意味を見出していた、と語った。
紀元二千年の大聖年に、同教皇は教会の舟が第三千年期に向かって再び沖に漕ぎ出し、網を投げ入れるよう呼びかけていたことをパロリン枢機卿は思い出しながら、その招きは教皇フランシスコのもとに現在祝っている2025年の聖年にも響き渡っている、と指摘した。
さらに聖ヨハネ・パウロ2世の平和への疲れを知らぬ奉仕と、戦争を止めるための最後までの外交努力を感謝のうちに思い起こした。
この世の移り変わりは早く、聖ヨハネ・パウロ2世の長い在位の間にも世の中の多くの変遷を見たが、神への信仰に根差した聖人たちの証しは固く生き続ける、とパロリン枢機卿は述べ、同教皇の天からの祈りと祝福を願った。
この記念ミサでは、聖ヨハネ・パウロ2世の秘書であったスタニスラフ・ジビッシュ枢機卿が参列者に感謝の挨拶を述べると共に、同教皇の証しを人々と分かち合った。