日本・バチカン80周年:絆をテーマに日本映画上映会

日本バチカン国交樹立80周年を記念し、在バチカン日本国大使館とローマ日本文化会館の共催で、日本映画の上映会が開かれた。

 日本とバチカンの国交樹立80周年を記念する事業の一環として、在バチカン日本国大使館とローマ日本文化会館の共催で、日本映画の上映イベントが始まった。

 この記念行事では、ローマ日本文化会館を会場に、9月20日から10月27日までの5週間にわたり、「絆」や「再生」をテーマに、家族、子ども、女性、被災者などの姿を描いた現代作家による日本映画5本を、1週間に2回上映する。

 9月20日(火)、この一連の上映会のオープニングが同会館で行われた。

 岡田誠司・在バチカン日本国特命全権大使は、最初の上映作品である是枝裕和監督の『奇跡』(2011年)を紹介しながら、是枝監督が先日9月6日、ヴェネツィア国際映画祭で、エンテ・デッロ・スペッタコロ財団と「チネマトグラフォ」誌が主催する「ロベール・ブレッソン賞」を受賞したことに言及した。

 エンテ・デッロ・スペッタコロ財団は、1946年、イタリア司教協議会により、同国における映画文化の普及と推進を目的に創立された組織。一方、イタリアで最も古い映画専門誌「チネマトグラフォ」は、1928年、カトリック映画センターによって創刊され、現在は同財団が編集発行している。

 「人間生活の精神的意味を探る困難な歩みの、きわめて誠実かつ力強い証し」を行った映画作家に授与される「ロベール・ブレッソン賞」には、教皇庁の文化評議会と広報省がその選考に協力している。

 岡田大使に続き、エンテ・デッロ・スペッタコロ財団を代表し、編集コーディネーター、ジャンルカ・アルノーネ氏が挨拶。日本人で初めて「ロベール・ブレッソン賞」を受賞した是枝監督の当作品に活かされた特徴的なカメラワーク、子どもの眼差しを介して行われる、観る者の「眼差しの再生」などについて語った。

 この上映会では、是枝裕和監督作品『奇跡』のほか、大九明子監督『甘いお酒でうがい』(2020年)、諏訪敦彦監督『風の電話』(2020年)、白石和彌監督『ひとよ』(2019年)、阪本順治監督『一度も撃ってません』(2020年)が紹介される予定。

21 9月 2022, 11:49