シノドス・ブリーフィング:エキュメニカルな視点から
バチカンで開催中の「世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会・第一会期」は、閉会まで数日を残すところとなった。
10月26日(木)のブリーフィングでは、前日25日(水)午後の全体会議と、26日午前の分科会について、同シノドス広報委員会の責任者パオロ・ルッフィーニ広報省長官と、同委員会・事務官シェイラ・ピレス氏より報告が行われた。
これによれば、25日(水)午後の全体会議では、全教会に宛てた「神の民への手紙」の採択が行われ、参加者らはタブレット端末を用い、投票を行った。348人の出席者のうち、336人が賛成に、12人が反対に投じ、同文書は採択され、その日のうちに発表された。
この後、同全体会議では、教皇フランシスコの言葉に続き、総括文書の草案について自由な討議が行われた。ここでは、教会の勇気ある宣教の必要、信仰の中心に置くべきイエスとの出会い、祈りと祈りのグループの重要性、ミサとゆるしの秘跡の本質性、典礼におけるシノドス的側面、女性の役割の大切さ、身体的だけでない虐待問題の指摘、など多様なテーマへの言及があった。
また、26日午前は、引き続き総括文書をめぐり、分科会を通して作業が行われた。
ブリーフィングの中でルッフィーニ広報省長官は、この総括文書の採択は、同シノドス・第一会期の閉会前日、10月28日(土)に行われる予定であると述べた。
そして、同長官は、現在討議されているこの文書について、2024年の第二会期の終わりに同シノドス全体の成果として教皇に託される文書とは異なる、中間的な意味を持つものである、と説明した。
今回のシノドスには、正教会とプロテスタント教会から、12人の代表が兄弟的使節として招聘された。これらの代表は、オブザーバーとして参加するだけでなく、特に分科会において討議に加わるようにも招かれた。
この日のブリーフィングの後半には、こうしたエキュメニカルな視点から選ばれたゲストたちのコメントがあった。
教皇庁キリスト教一致推進省長官クルト・コッホ枢機卿は、カトリック以外の諸教会のシノドスへの参加は、エキュメニカル体験の中心をなすものであり、「シノドスの歩みはエキュメニカルであり、エキュメニカルな歩みはシノドス的である」という教皇フランシスコの確信を表すものでもある、と話した。
ルーマニア正教会の西ヨーロッパ・南ヨーロッパ府主教ヨシフは、正教会としてこのシノドスの歩みに参加できたことをうれしく思う、と述べ、「シノドス性」と「首位性」についての考察が、この10年間、カトリック-正教会の対話のための合同国際委員会のテーマであったことを指摘した。
ペンテコステ連盟を代表するオプク・オンイナウ教授は、他の諸教会をシノドスに参加するよう招くことは、教皇とカトリック教会の謙遜さと成熟を表すもの、と話した。
また、ポーランド・ポズナンのスタニスワフ・ガデツキ大司教は、このシノドスが、他のキリスト教教会や、ユダヤ教、無神論の代表者らを招きながら、不和に陥ることなく行われたことに驚いた、と述べた。まず自分の考えを述べ、そして他者の意見を聞き、それを沈黙をも交えて比較するというメソッドが、聖霊のもとに平和的に話し合うことを可能にしたのだろう、と語った。