教皇、エチオピアの暴力の犠牲者のために祈る
教皇フランシスコは、日曜正午の集いで、エチオピアにおける暴力の犠牲者たちのために祈られた。
11月3日、教皇フランシスコは、バチカンで行われた日曜正午の集いで、エチオピアにおける暴力の犠牲者たちを悼まれた。
教皇は、暴力の犠牲となったエチオピア正教会の多くの信者たちのために悲しみを表され、同教会とアブネ・マティアス総主教に寄り添いの気持ちを述べられた。
教皇は、エチオピアにおけるすべての暴力の犠牲者のために祈るよう、信者らに呼びかけられた。
エチオピアでは、アビー・アハメド首相がノーベル平和賞に選ばれた後、同首相に抗議するデモが南部オロミア州や首都アディスアベバに発生、治安部隊との衝突などで、80人近くが死亡した。
アフリカ宣教会の雑誌「Africa」が伝えるところによれば、エチオピア正教会の高位聖職者はBBCに対し、60人以上の信者が殺害されたと述べたという。
同誌は、エチオピアで正教会は最も多くの信者を擁する宗教であるが、エチオピア正教会はその施設や信者らが攻撃の対象になっているとしばしば訴えてきた、と記している。
158人の成人信者と何人かの子どもたちは、首都から遠く離れた教会に逃れ、そこに4日間留まり、軍から水や食糧などの配給を受けたという。
ロイター通信は、10月26日付で、オロミア州で始まったこの混乱について触れ、アビー首相と同じ、エチオピア最大の民族オモロ人の影響力のある活動家が、自身の警護を解かれ危険に晒されたことを「裏切り」として訴えたことが発端と述べている。
オロミア州の警視長は同通信に対し、混乱の中で教会やモスクを焼こうとする行為があり、この抗議運動全体を民族・宗教間の争いに変えようとする隠れた意図があった、と話した。
エチオピアは80以上の民族からなり、民主主義と各民族の共存・尊重が大きな課題となっている。
03 11月 2019, 17:23