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イラク:教皇、カラコシュのカトリック共同体と交流

教皇フランシスコは、イラク北部カラコシュのカトリック共同体を訪問された。

 イラク滞在3日目、同国北部を訪れた教皇フランシスコは、カラコシュのカトリック共同体と交流された。

 3月7日午前、教皇はバグダッドからアルビルを経由しモスルを訪問。続いてモスル南東およそ32㎞のカラコシュに向かわれた。

 古代アッシリアのニネベとニムルドの遺跡の近くにあるカラコシュは、アラム語でバグディーダとも呼ばれる、農業を主産業とする町。

 カラコシュのキリスト教共同体は、イラクで最も大きいものの一つである。2014年、過激派組織ISに占領される前は、カラコシュの人口は約5万人、そのうち90パーセントがキリスト教徒であった。

 ISはカラコシュに侵攻し、家屋や、教会、図書館、その他の主要な施設を破壊、避難民となった多くのキリスト教徒は、主にクルド自治区に逃れた。

 カラコシュは、占領から2年後の2016年に解放された。その後、復興への取り組みに合わせ、避難民の帰還が徐々に進むものの、紛争が残した傷は深く、現在の人口はおよそ3万5千人である。

 教皇とカラコシュのカトリック共同体の出会いが行われた、シリア典礼カトリック教会のカテドラルは、無原罪の聖母に捧げられ、イラクで最大級の広さを持つものであった。2014年、ISによって略奪、放火され、教会の内装や調度品、図書などが焼失。鐘楼は倒され、回廊は射撃場となった。2016年のカラコシュ解放後、聖堂は再び聖別されると共に修復が開始され、建て直された鐘楼の頂上には再び無原罪の聖母像が据えられた。

 教皇を迎えたカラコシュの町の喜びは大きく、カテドラルに向かう道のりと聖堂周辺は人々でいっぱいとなった。

 聖堂内で行われた集いで教皇は、宗教的・文化的多様性の美しさが輝くこの地域で、暴力と、憎しみ、紛争がもたらした破壊の跡を見ることは非常に悲しいことである、と述べた。

  教皇は、「今日のこの出会いは、勝利者はテロリズムと死ではなく、神と御子であることを示している。神の御子は罪と死に打ち勝たれた。テロリズムと紛争の破壊の中でも、わたしたちは信仰の目を通して、死に対するいのちの勝利を見ることができる」と話された。

 「今は、神の恵みに信頼し、再興と再出発をする時」と教皇は述べつつ、イラクの教会は独りではなく、全教会は祈りと具体的な支援をもって皆さんに寄り添っている、と励まされた。

 教皇は、「イエスは、今この時も皆さんのそばにいる。夢を見ることをあきらめず、希望を持ち続けて欲しい」と願われた。

 また「どのような時も、神の恵みに感謝し、この地と人々に平和と、赦し、兄弟愛が与えられることを祈ろう」と教皇は招き、多様性の尊重と相互理解のうちに、いのちと、和解、兄弟愛の文化が勝利することを願われた。

 そして、教皇は人々の必要と未来の計画を聖母の保護に託し、お告げの祈りを信者たちと共に唱えられた。

07 3月 2021, 17:51

お告げの祈り(アンジェルスの祈り)は、神の御子の受肉の永遠の神秘を思い起こす祈りです。この祈りは、朝の6時、正午、夕方18時頃の3回唱えられ、その時には、お告げの鐘が鳴らされます。アンジェルスの祈りと呼ばれるのは、ラテン語におけるこの祈りの冒頭の部分、– Angelus Domini nuntiavit Mariae – から採られています。この祈りは、イエス・キリストの受肉について語る3つの簡潔な本文と、3回のアヴェ・マリアの祈りからなります。お告げの祈りは、教皇によって、バチカンの聖ペトロ広場で、日曜日とカトリック典礼暦の祭日の正午に唱えられます。祈りの前に、教皇はその日の聖書朗読箇所などを観想する短い説教を行います、祈りの後には、巡礼者たちへの挨拶が続きます。
復活祭から聖霊降臨までは、お告げの祈りの代わりにアレルヤの祈りが唱えられます。これはイエス・キリストの復活を思い起こす祈りで、祈りの終わりには栄唱(グロリア)を3回唱えます。

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