教皇、ベネディクト16世のため聖母の取り次ぎ祈る
カトリック教会の暦で「神の母聖マリア」の祭日を祝った、1月1日、教皇フランシスコは、正午の祈りをバチカンを訪れた巡礼者らと共に唱えられた。
教皇は集いの説教の冒頭で、前日逝去した名誉教皇ベネディクト16世のために、信者らに次のように祈りを呼びかけられた。
「新年の最初の日は聖マリアに託されています。今日わたしたちは聖マリアを神の母として祝います。今この時、特に、昨日この世から旅立たれた名誉教皇ベネディクト16世のために、聖母の取り次ぎを祈り求めましょう。皆で心と魂を一つに合わせ、この福音と教会の忠実な奉仕者をおくってくださった神に感謝しましょう」。
続いて、教皇はこの日のミサの福音朗読箇所、天使から救い主の誕生を知らされた羊飼いたちが「飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子」を探し当てる場面(ルカ2,16-21)を取り上げられた。
何も話さず、体験している神秘を驚きをもって受け入れ、「これらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた」(同2,19)マリアの姿を教皇は観想。
天使たちが祝い、羊飼いたちが駆けつけ、そこで見聞きしたことを人々に告げる中で、自分が語ることで主役の座を奪うことなく、イエスを中心に置き、静かに、愛情をこめて世話するマリアの偉大さを強調された。
教皇は特に幼子イエスを「飼い葉桶に寝かせ」世話するマリアの母性と優しさこそが、聖母の「言語・表現」であると指摘。
新年にあたり、わたしたちがこの一年をより良いものにし、希望を再び築きたいならば、エゴイズムから来る言語を捨て、マリアのように愛の言語、いたわりの言語を選び取り、わたしたちのいのち、魂、時間、被造物や環境を大切にし、まわりの人や助けを必要とする人々の世話をしなければならない、と話された。
この日記念されたカトリック教会の「世界平和の日」に触れた教皇は、様々な危機や戦争の悲劇を前に、それぞれが未来を築くための務めを自覚し、今日の世界の挑戦に責任と憐れみをもって立ち向かうよう呼びかけられた。