「神の愛の指が苦しむ人々に触れるように」教皇、お告げの祈りで
療養中の教皇フランシスコは、4月6日(日)、バチカンで行われた「病者と医療界の聖年」の記念ミサの終わりに、サプライズで参加され、挨拶をおくられた。
一方で、教皇は同日のお告げの祈りの言葉を、教皇庁の広報局を通して発表された。
その中で教皇は、同日の福音朗読箇所、ヨハネ福音書の「姦通の現場で捕えられた女」のエピソード(ヨハネ8, 1-11)を観想されている。
そして、「病者と医療界の聖年」の日にあたり「神の指」が苦しむ人々に触れ、彼らをいたわる人々を励ますようにと祈っている。
教皇のお告げの祈りの言葉は以下のとおり。
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親愛なる兄弟姉妹の皆さん
四旬節第五主日、福音は「姦通の現場で捕えられた女」のエピソードを語っています(ヨハネ8,1-11)。律法学者たちや人たちがファリサイ派の人々が彼女を石打ちの刑にしようとする中、イエスはこの女性に失われた美しさを取り戻されました。彼女は塵の中に倒れました。しかし、イエスはその塵の上を指でなぞりながら、彼女のための新しい歴史を書かれました。それは、ご自分の子らを救い、悪霊から解放する「神の指」(参照 出エジプト8,15、ルカ11,20)でした。
親愛なる皆さん、入院中も、そして療養中の今も、わたしはこの「神の指」が優しく触れるのを感じています。「病者と医療界の聖年」の日に、神の愛の指が苦しむ人々に触れ、彼らをいたわる人々を励ましてくださるよう、主に祈ります。
必ずしもふさわしい条件下で働けるように支援されていない、時には攻撃の犠牲にさえなる、医師や、看護師、医療従事者たちのために祈りたいと思います。これらの人々の使命は容易なものではありません。彼らが支えられ、尊重されることを願います。また、医療システムが受容的で、最も弱く貧しい人々に配慮するものとなりますように。
レビッビア女子刑務所の受刑者たちが送ってくれたカードに感謝します。彼女たちとその家族のために祈ります。
「開発と平和のためのスポーツ国際デー」にあたり、平和と社会的包摂を必要とする多くの人々にスポーツが希望のしるしとなることを願います。また、兄弟愛を具体的に教える、様々なスポーツ団体に感謝します。
平和のために祈り続けましょう。苦しめるウクライナでは、攻撃を受け、たくさんの子どもたちをはじめ、多くの市民が犠牲になっています。ガザ地区でも同様のことが起きています。そこで人々は、避難所も、食料も、清潔な水もない、想像を絶する状態で暮らしています。武器を収め、対話を取り戻し、すべての人質を解放し、住民に助けを差し伸べるべきです。
中東全域に、スーダンと南スーダンに、コンゴ民主共和国に、地震で深刻な被害にも見舞われたミャンマーに、暴力がはびこり、先日二人の修道女が殺害されたハイチにも、平和を祈りましょう。
おとめマリアがわたしたちを守り、わたしたちのために取り次いでくださいますように。