教皇、ガザ地区への空爆再開に深い悲しみ表明
3月23日(日)正午、教皇フランシスコは、ローマのジェメッリ総合病院からの退院前に、病棟のバルコニーより人々に感謝の言葉と祝福をおくられた。
一方、この日の「お告げの祈り」のために教皇が用意したテキストが、バチカン広報局を通して発表された。
この中で教皇は、同日の福音朗読箇所(ルカ13,1-9)から、特に「実のならないいちじくの木」のたとえを取り上げ、説教を行われている。
同時に、教皇はガザ地区への空爆再開に心痛を表され、即時停戦と対話をアピールされた。
教皇のお告げの祈りの言葉は以下のとおり。
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親愛なる兄弟姉妹の皆さん
今日の福音のたとえ話は、神の忍耐を語りながら、わたしたちの人生を回心の時とするよう励ましています。ここでイエスは、いちじくの木のイメージを用います。そのいちじくの木は、期待されながらも、実をつけたためしがありません。しかし、園丁はその木を切り倒さずに、むしろ肥やしをやって「来年は実がなるかもしれません」(ルカ13,9)と様子を見ることを望むのです。この忍耐強い園丁とは、主のことです。主は、わたしたちの人生の畑を心を込めて耕し、わたしたちがご自身のもとに戻るのを信頼して待っておられます。
この長い入院生活で、わたしは主の忍耐を経験することができました。その忍耐は、医師や医療従事者の尽きぬ配慮や、病者の家族が持つ関心や希望にも反映されるものです。神の愛に繋ぎ止められた、この信頼に満ちた忍耐は、特に最も困難で痛ましい状況はもとより、わたしたちの人生においてまことに必要なものです。
ガザ地区へのイスラエルの激しい空爆の再開が多くの死傷者をもたらしていることに深い悲しみをおぼえます。ただちに武器を収め、対話を再開する勇気を持つことができますように。すべての人質を解放し、最終的な停戦に到達することができますように。ガザ地区の人道的状況は非常な深刻さに再び陥っています。紛争の当事者たちと国際社会の緊急の取り組みが必要です。
これに対し、アルメニアとアゼルバイジャンが和平協定の最終文書に合意したことをうれしく思います。この文書が一刻も早く調印され、南コーカサスにおける恒久的な平和の確立に寄与することができますように。
多くの辛抱と忍耐をもって、わたしのために祈り続けてくださる皆さんに深く感謝します。わたしも皆さんのために祈っています。特に、苦しむウクライナ、パレスチナ、イスラエル、レバノン、ミャンマー、スーダン、コンゴ民主共和国に、戦争の終結と平和を共に祈り求めましょう。
おとめマリアがわたしたちを守り、復活祭への歩みを共にしてくださいますように。