難民移住移動者の日:教皇「扉を叩く人に開かれた共同体を」
毎年9月の最終日曜日、カトリック教会は「世界難民移住移動者の日」を記念する。
2023年度の「世界難民移住移動者の日」が記念された9月24日(日)、教皇フランシスコはバチカンで行われたお告げの祈りの集いで、次のように話された。
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今日は「世界難民移住移動者の日」を記念します。テーマは「移住かとどまるかを選択する自由」です。これは、移住は自由な選択であるべきであり、唯一可能な選択肢であってはならないということを思い出すためです。
事実、今、移住の権利は多くの人にとって義務となっています。それに対して、祖国にとどまるために移住しない権利もあるべきです。
一人ひとりの人に、自分がいる社会で尊厳ある生活をおくる可能性が保証される必要があります。
残念ながら、貧困や、戦争、気候上の危機が、多くの人たちを逃げざるを得ない状況に置いています。
それゆえ、扉を叩く人たちに対し、開き、受け入れ、助けを差し伸べ、寄り添い、統合を目指す共同体づくりに、わたしたち皆が招かれているのです。
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教皇フランシスコは、前日9月23日(土)、フランス・マルセイユへの司牧訪問から戻られたばかり。
地中海沿岸地域30都市から教会・行政関係者などが参加し、同地域の多様な価値の再発見と、共通課題への一致した取り組みを考えるミーティング、「ランコントル・メディテラネンヌ」への出席のため、教皇は22日(金)からマルセイユを訪れていた。
23日に行われた同ミーティングの最終セッションで教皇はスピーチを行われ、その中で地中海を通した人々の交流と文明の構築の歴史を回想。それに対し、今日、地中海に面した多くの扉は閉じられていると指摘しつつ、地中海が再び自らを開き、善と受容と平和を育む場所になるようにアピールされている。