教皇「愛をもって他者を判断する目を養う」お告げの祈り説教
教皇フランシスコは、現在ローマのジェメッリ総合病院で入院生活をおくられている。
教皇は、3月2日(日)のお告げの祈りの集いを行われなかったものの、この集いのために用意された言葉をバチカンの広報局を通して発表された。
この言葉の前半部、教皇は同日の福音朗読箇所(ルカ6,39-45)から、「丸太とおが屑」「木が結ぶ実」をたとえに用いたイエスの教えを取り上げ、説教を行われている。
教皇の説教は以下のとおり。
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「親愛なる兄弟姉妹の皆さん
この日曜日の福音(ルカ6,39-45)で、イエスはわたしたちに五感のうちの二つの感覚、視覚と味覚について考えさせます。
視覚をめぐり、イエスは、世の中をよく見つめ、愛をもって他者を判断する目を養うようにと招かれます。イエスは言われます。「まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目にあるおが屑を取り除くことができる」(同6,42)。非難ではない、配慮あるこの眼差しをもってこそ、兄弟愛に基づく矯正は一つの徳となり得るのです。
味覚に関して、イエスは「木は、それぞれ、その結ぶ実によって分かる」(同6,44)ということをわたしたちに思い出させてくださいます。人が結ぶ実、それは、例えば人の口の上に熟す言葉です。なぜなら「人の口は、心からあふれ出ることを語る」(同6,45)からです。悪い実とは、乱暴で偽りに満ちた俗悪な言葉のことです。これに対し、良い実とは、わたしたちの対話に味わいをもたらす、公正で誠実な言葉のことです。
ではここで自問しましょう。わたしは兄弟姉妹である他の人々をどのように見ているでしょうか。そして、わたしは彼らからどう見られていると感じているでしょうか。わたしの言葉は良い味を持っているでしょうか。それともそれは苦さと虚栄に満ちているでしょうか。」