シノドス総会・第1会期終了:より深い傾聴と対話のしるしとして
バチカンの聖ペトロ大聖堂で、10月29日(日)、「世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会・第1会期」の閉会ミサが、教皇フランシスコとシノドス参加者らによって捧げられた。
これにより「共に歩む教会のため − 交わり、参加、そして宣教」をテーマに、2023年10月と2024年10月の2つの会期を持つ同シノドス総会の、前半のセッションが終了した。
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「共に歩む教会」を考えるこのシノドスは、そのテーマにふさわしく、全教会が参加する一つの大きな歩みとして計画された。
2021年10月10月にバチカンから始まったそのプロセスは、地方教会レベル(第1ステージ)と、大陸レベル(第2ステージ)での、出会いと傾聴、対話と考察を経て、現在、世界レベル(最終ステージ)としてのローマでの総会に到達した。
ローマでの総会は、第1会期(2023年10月)と第2会期(2024年10月)の2つのセッションを通して行われる。
このたび行われた総会・第1会期は、精神的準備としての黙想期間の後、10月4日(水)に開会ミサを持って開幕。全体会議と分科会における連日の討議を経て、10月28日(土)に総括文書を採択、29日(日)の閉会ミサをもって終了した。
今シノドスのメンバーは、枢機卿、司教、司祭、修道者、信徒、またエキュメニカル使節や、その他の招聘された使節・代表など合わせて464人。日本からは、議長代理として、セルヴィ・エヴァンジェリー会員の西村桃子さん、日本の司教団の代表として、東京教区大司教・日本司教協議会会長の菊地功大司教、専門家およびファシリテーターとして、ベリス・メルセス宣教修道女会会員のシスター弘田鎮枝の3名が参加した。
総会は、事前に発表された「討議要項」中の各テーマに沿って、発言・考察・まとめの作業が、全員参加の全体会議と、言語別・少人数グループ式の分科会を通して行われた。
これまでのシノドスには、会場として、階段状の構造を持つ、シノドスホールが用いられていた。これに対し、傾聴と対話に特に心を砕いた今回のシノドスでは、パウロ6世ホールにいくつもの円形テーブルを用意し、皆が向き合い対話できるスタイルを取り入れた。
また、今シノドス総会のもう一つの特徴は、司教でない人々(司祭・助祭・修道者・信徒)は、従来「傍聴者」として参加していたのに対し、今シノドスでは、シノドスの正式メンバーとしてのタイトルのもと、採択の際の投票権を持つようになったことである。
これらの司教でないメンバー70名は、各大陸・地域の司教協議会連盟から提出された候補者リストの中から、教皇ご自身によって選ばれた。一方で、全参加者の75パーセントは司教らによって構成されるため、「司教会議」としての性格は保証されている。
およそ1ヵ月にわたる総会の合間には、ローマのカタコンベへの巡礼が行われたほか、緊迫した世界の情勢を背景に、移民のための祈りの夕べ、平和のためのロザリオの祈り、また世界平和のための祈祷集会などが行われた。
総会・第1会期の終了に合わせ、全教会に宛てた「神の民への手紙」と、今会期の討議の実りである「総括文書」が採択された。
今後、第1会期の成果と提案を元に、来年2024年10月に開催されるシノドス総会・第2会期に向けた準備が進んでいく。